この写真・・・もう20年以上?も前に撮影した地球。
カメラは当然、4x5です。
お判りでない方のために書けば、一枚のフィルムが4x5インチ。(10x12.5CM)
今ならば恐ろしく簡単にカメラさえ使用せずに完成することでしょう。
が、当時は実に難儀な撮影だったのですよ。
卵はダチョウの卵ほどの大きなサイズ(石膏で作られていた記憶が・・・)
これを90CM角程の乳白のアクリルに穴を開け棒を出し、アクリルと30CMほどの距離を開けて固定。
プロジェクターにレンポジの地球の写真をセットし、卵に写り込ませる。
簡単に言えばそれだけですが
先ず、背景のアクリルは黒布で覆い、地球を投影する。
黒布で覆う理由は、はみ出した地球が背景に影響を与えぬようにするためです。
勿論長時間露出ですので完全暗黒でなければいけません。
恐らく10秒ほどのシャッターを切ったことでしょう。
しかもプロジェクターはハロゲンランプなので濃いブルーのフィルターを
レンズにはセットしたはず。
次にアクリルの黒布を巻き上げ取り去り、アクリルの後ろにセットしたストロボに切り替えます。
この時、ストロボの光りが卵に廻らないように細心の注意が必要です。
ストロボにブルーのフィルターを掛けたのか、レンズ前のブルーフィルターを生かしたかは
既に記憶から抜け落ちていますが、ここでもう一度背景のための露光を与えます。
一言でいえば多重露光という手法です。
Macが無かった頃の合成技の多くはこの様な多重露光でした。
夏カシス。